【五大湖のふところミシガンで暮らす】
鳩山 幹雄  

モダンなSACの玄関
モダンなSACの玄関
真剣なまなざしでビリヤードに熱中する末っ子。後方は対戦相手の次男
真剣なまなざしでビリ
ヤードに熱中する末っ子。
後方は対戦相手の次男
マッチョマンをめざして汗する長男
マッチョマンをめざして
汗する長男



第10回 スポーツ一家誕生!?


スポーツセンターの会員に

家族でSACと呼ばれるスポーツセンターの会員になった。SACは地元の大学の施設だが、誰でも利用できる。非会員の場合は1日10ドル。回数券なら10枚で50ドル、つまり半額。会員になる場合、年会費は立場によって異なり年間100〜250ドル、家族会員が175〜500ドル。我が家の場合、年会費175ドル(約$15/月)という格安料金で一家6人がいつでも自由に利用できることを知り、迷わず家族会員に。

格安だからといって決して設備が粗末なわけではない。実際予算カットで苦しいはずの州立大学の施設にしてはかなり立派で、ショッピングモール並の巨大な建物内には水泳プール、サウナ、筋力トレーニングマシンやウォーキングマシンの並ぶフィットネスルーム、ラケットボールコート、バスケットボールコート、バレーボールコート、テニスコート、トラック、ボーリング場、レスリングルーム、多目的ジム、卓球、ビリヤード等、ほとんどなんでも揃っている。

ボーリングには1ゲーム1ドル50セントと貸し靴に50セントかかるが、その他の施設は会員ならプールもサウナもすべて毎日利用しても使用料は一切不要。利用時間帯も午前6時〜深夜12時と長く、そのうえ年中無休。だからといって「いつでも」などと言っているとなかなか通えないので、毎週、日、水、金曜日をSACデーと決めて家族でスポーツに汗することに。

9歳の末っ子のお気に入りはビリヤード

SACが利用できるようになったと知って、ダイエットに励む妻はもちろんのこと、エネルギー有り余る息子たちも大喜び。下校する子供たちを待ち、さっそくスポーツバッグに、着替え、サッカーボール、バスケットボールなどを詰めて出かけた。金曜日の夕刻ということもあり、ほかにも家族連れが目立った。

まずは次男の要望を一番に聞き入れて体育館でバスケットボール。子供たちに負けまいと、久しぶりに走り回った。ところがものの10分で体力が尽きてしまった。息切れがひどくてへたり込み、妻にバトンタッチ。その妻もやはり5分でダウン。エネルギーの有り余る子供たちを眺めながら、妻と2人お互いの運動不足を嘆いた。

バスケットボールの次は三男につきあってビリヤード。1年ほど前旅先のホテルでの体験がよほど楽しかったらしい。9歳の子供がビリヤードというのはいかにも生意気だが、ねだるだけあって4歳年上の次男よりもよほど上手い。といってもたかが小学生、1ゲーム終えるのに20分もかかってしまう。

ビリヤードにさほど興味のない妻と長男はフィットネスルームへ。長男はマッチョマンをめざして筋力トレーニングマシンに没頭、妻は「ダイエット、ダイエット」と呪文のように唱えながらランニングマシンの上でひたすら走り続けた。遠方から眺めるその妻の姿に、思わずハツカネズミを連想してしまった。

帰路の車中、それぞれが次回のSACでの過ごし方を語った。「明日また来てバレーボールしようよ」「またビリヤードしてもいい?」「減量中の私にはやっぱり水泳とサウナが効果的かな」「ラケットボールもやってみたいな」「今度はボーリングもしようよ」「もっと長くいたいから早い時間に来ようよ」「卓球もやろうよ」 誰の希望を優先するかでひと悶着ありそうだが、当分は飽きることなく家族揃って健全な汗が流せそうだ。



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