【五大湖のふところミシガンで暮らす】
鳩山 幹雄  

ミシガンの運転免許証と教本
ミシガンの運転免許証と教本
無事試験に合格してセクレタリー・オブ・ステート・オフィスから出てくる妻
無事試験に合格して
セクレタリー・オブ・ステート・
オフィスから出てくる妻
この「NO TURN ON RED」のサインがなければ赤でも右折(日本の左折にあたる)が可能
この「NO TURN ON RED」の
サインがなければ赤でも右折
(日本の左折にあたる)が可能



第21回 妻が運転免許取得にチャレンジ


合格ラインは80点

「そろそろ運転免許を取らなくちゃ」 国際運転免許証の期限が切れてしまうので、妻がミシガンの運転免許取得に向けてやっと重い腰を上げた。他州の免許証保持者は書類手続きのみで良いが、日本の国際免許証の場合、法規・実地の両試験を受けなければならない。免除になるのは法規試験合格後の30日間の実地練習期間のみ。

「ねぇ、試験て、どんな感じ?」 妻に尋ねられたが、返答に詰まってしまった。何かにつけて身分証明書の提示を求められるので、妻と同じように国際免許証は持っていたが、越してすぐにミシガンの運転免許証を取得しておいた。かれこれもう1年近くも前のことを尋ねられてもほとんど覚えていないので、保管しておいた120ページほどの教本を引き出しから取り出し無言のまま手渡した。

3週間ほど勉強した後、妻はセクレタリー・オブ・ステート・オフィスで法規試験にチャレンジ。50問の4択問題で合格ラインは40問正解の80%。日本語版の試験も用意されていることを知り、妻は日本語バージョンにチャレンジ。約1時間奮闘した結果、正解は39問で不合格。1日2回まで受験可能で何度受けても無料なのは有り難いが、気落ちした妻は日を改めることに。

夫の冷ややかな視線に耐えながら教本を読み直した妻は数日後、今度は英語バージョンにチャレンジ。妻いわく、

「前回の試験結果が悪かったのは日本語訳が良くないから。第一、教本は英語なのだから英語の問題のほうが分かりやすいはず」

理由はともかく今度は47問正解で見事合格。

実地試験は自分の車で

第2ステップの実地試験は民間委託業者に各自連絡し、予約を取って受験。業者によって費用は若干異なるが1回につき約40ドル。不合格になって再チャレンジにでもなればさらに40ドルかかるのだから、実地試験は一発でパスしてもらいたい。 車両は受験者各自が用意する。妻の場合、ミシガンに越して以来ほぼ毎日運転しているワゴン車。車庫入れや縦列駐車などには不便だが仕方がない。

実地試験は2部門。まずは駐車場の角に設置した即席試験会場で白線ギリギリに停車、車庫入れ、縦列駐車といった基本技術試験。それにパスすると、40分間の路上運転。市内、郊外、そして高速道路も走る。 妻の実地試験には同乗するつもりでいたが急に都合が悪くなってしまった。妻は心細そうにひとりで出かけた。運転免許試験に自分で運転して出かけるというのがちょっと滑稽。

妻の運転がとくに下手だとは思わないが、試験となれば誰でも緊張する。待つ身としても決して気が気でない。妻が戻るまでの2時間ほどが非常に長く感じられたが、無事帰宅し運転席から下りた妻が笑顔を見せたのでホッとひと安心。

歩み寄った妻の開口一番は「これでビールも買えるし、バーにも入れる」まるで成人式参列者のような台詞。1度買い物途中にビールを購入しようとしたときに身分証明の提示を求められ、購入できなかったことがあるらしい。どう見ても21歳未満には見えないと思うのだが、その一件は、どうやら妻にはけっこう楽しい思い出として鮮明に記憶に残っているようだ。

そしてまもなく高校生の長女と長男の運転免許講習が始まる。2人は果たして無事免許取得できるのだろうか。



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