【五大湖のふところミシガンで暮らす】
鳩山 幹雄  

真っ赤に染まった住宅街。青空が紅葉をひきたてる
真っ赤に染まった住宅街。
青空が紅葉をひきたてる
たわわに実をつける道路脇のリンゴの木。ミシガンのリンゴは小振りだが味は悪くない
たわわに実をつける
道路脇のリンゴの木。
ミシガンのリンゴは
小振りだが味は悪くない
あっという間に冬景色。ミシガンの秋はことのほか短かった
あっという間に冬景色。
ミシガンの秋はことのほか短かった



第4回 常夏+マンゴ)VS(紅葉+リンゴ)…どちらの魅力も捨て難い!?


5年ぶりの秋、そして冬

数週間ぶりに気温がマイナスになった。平年のミシガンは10月下旬にもなれば雪が舞うことも珍しくない。そしてそのまま真冬へと突入し、当分雪景色を眺めて暮らすことになる。

今年も、9月、10月、11月と日が短くなるにつれて気温も下がり、緑一色だった森や街路樹が徐々に色をつけ始めた。そして紅葉の美しい季節が到来。秋の景色を眺めていると、柄にもなく感傷的になる。時の流れを意識するからかもしれない。サモア人がいつも陽気で笑顔でのんびりしていられるのは、秋とも冬とも無縁の暮らしを送っているからかも。

それにしても紅葉を実際に目にするのはじつに5年ぶり。日本とはひと味違うミシガンのダイナミックな紅葉を、妻と2人、ベンチに腰を下ろしてしばらく眺めた。多くの日本人同様、常夏の気候とヤシの木々、白浜と透き通る海、そして時間にとらわれない日常に憧れてサモアに移り、4年暮らした。ベッドから出るのが辛いあの寒い冬がないのは確かに魅力だった。でも、久しぶりに夏から秋、そして冬へとの季節の移り変わりを再びこうして視覚的に感じるのも悪くない。ひんやりと冷たい空気も肌に気持ち良い。

ところが、そんな美しい景色が続いたのもほんの数日。急激に気温が下がり、そのうえ強風が吹き荒れたので、色とりどりの葉はすべて吹き飛ばされ、森も街路樹もすっかり丸裸に。どこもあっという間に冬景色になってしまった。ところが、そのまま冬が訪れると思ったら、再び穏やかな気候に逆戻り。半袖でも寒くないほど暖かな日が何週間も続いた。街頭にジングルベルが流れる季節にこの陽気は予想外。「ミシガンの気候はとにかく予想できない」とミシガン生まれの友人がよく口にするが、まったく同感。でも、雪、雪、雪の暮らしがまもなく間違いなくやってくる。

リンゴ食べ放題の日々

紅葉と並んでミシガンの秋を感じさせるのがリンゴ。民家の庭や道路脇など、あちこちに見られるリンゴの木が、どれも枝もたわわに実をつける。

ミカンよりも小さくておいしくもないのにバカ高いニュージーランド産の輸入リンゴしか手に入らなかったサモアでは、リンゴを食べることなどまずなかった。パパイヤ、マンゴ、バナナ、パイナップル、グアバなど、トロピカルフルーツがふんだんに手に入ったのでリンゴにこだわる必要もなかった。マンゴなどは季節になれば庭の木が食べきれないほど実をつけた。実際フルーツは、毎日欠かすことのないビタミン源だった。ミシガンのリンゴはそんなサモアのマンゴに匹敵する。

つい先日も見事に実をつけた近所のリンゴの木から、妻と子供たちがバケツ2杯分ほどのリンゴを持ち帰った。以来毎日リンゴ食べ放題。この5年間ほとんど食べたことがなかったので、リンゴの味が新鮮に感じられた。それでも毎日食べ続けるとさすがに飽きる。キッチンの片隅にまだ残る数個のリンゴに、誰も目もくれなくなってしまった。



HOME:::INDEX:::NEXT