【五大湖のふところミシガンで暮らす】
鳩山 幹雄  

ニューアーク空港で成田への乗り継ぎ便へと向かう
ニューアーク空港で成田への
乗り継ぎ便へと向かう
愛知万博に向けてあちこちで盛んな道路工事。町の様子が一変
愛知万博に向けてあちこちで
盛んな道路工事。
町の様子が一変
スーパーの駐車場で開催されるフリーマーケット
スーパーの駐車場で開催される
フリーマーケット



第45回 一家で2年ぶりの里帰り


久々の日本は梅雨の真っ只中

2年ぶりに家族で日本を訪れることになった。ミシガンに暮らすようになって、はじめての里帰りだ。サモアに暮らしていた頃は、毎年5月中旬から6月初旬にかけての子どもたちの休み期間中に里帰りしていた。桜を楽しむことはできなかったが、梅雨前の日本の気候は、常夏のサモアから訪れる身にはさわやかで快適だった。

ミシガンに越してからも年に一度は里帰りしたいと思っていたが、昨年は、引っ越し、それに高校生の長女と長男の運転免許教習が夏休みと重なったため機を逃してしまった。来年は次男が運転免許講習を受けることになるので、また帰国の機会を逃すかもしれない。 孫の顔を見るのを首を長くして待っている祖父母からの再三にわたる催促もあり、今年は何とか都合をつけて里帰りを決断、5月上旬に航空券を手配した。

航空運賃が跳ねあがる直前の6月下旬にミシガンを出発、ニューアークと成田で乗り継いでなんとか名古屋空港に到着。デトロイトから直行便もあるのだが、割安運賃にひかれ不便を覚悟で乗り継ぎ便を選択した。割安といってもひとりあたり$200〜$250程度の違いだが、一家6人だとバカにならない。

久しぶりの日本滞在は、あいにく梅雨の真っ只中。連日の雨で屋外で遊ぶこともままならない子どもたちは、少々ふさぎ気味。大人2人はあれやこれやと雑用に追われ休日らしい休日を過ごす間もないまま1週間、2週間と、時は容赦なく流れた。雑用の合間に家事もこなさなければならない妻は「洗濯物が乾かない。乾燥機がいる」と嘆いた。考えてみれば梅雨を体験するのは6年ぶり。このジメジメした日々をすっかり忘れていた。

急増した100円ショップとリサイクル・ショップ

サモアから里帰りしていた頃は毎回生活ペースの違いに目を丸くした。ミシガンから戻って一番に感じたのは、狭い日本。親しみ慣れていたはずの道路や駐車場が極端に狭く感じてしまった。 「アメリカ人なら、こんな狭いスペースにはとても駐車できないね。やっぱり日本人は運転がうまい」と、現在16歳ながら仮免許で路上運転練習中の長男は、日本人の運転技術に感心した。確かに、アメリカと比べると格段に狭い日本の駐車場に、しかもバックで駐車できるアメリカ人はそれほど多くはないかもしれない。

また、愛知万博に向けて高架道路工事もあちこちで進み、見慣れていたはずの町並みが変貌し、戸惑ってしまった。突如としてその数を増した100円ショップにも驚いた。大手家電販売店や人形屋が、いつのまにか100円ショップに変身していた。さらに驚いたのは値段のわりに充実している商品の数々。子どもたちは、CDケースやおしゃれなサングラスなど、アメリカの1ドルショップでは見かけない品を100円で手に入れることができ、満足そうだった。そして妻もまた、招き猫や湯呑みなど、ミシガンの友人への土産をいくつか調達した。

各種リサイクル・ショップも突如として増えたようだ。これだけゴミ処理が複雑になり、なおかつ費用がかかるようになったのだから、当然と言えば当然の成り行きかもしれない。 それにしてもゴミのひとつひとつをいちいち表示に従って仕分けしなければならないゴミ処理に、浦島太郎状態の妻は気が狂わんばかりだった。

100円ショップとリサイクル・ショップの急増、そしてスーパーの駐車場で開催されるフリーマーケットなどが、はたして現在の日本経済を物語っているのだろうか。




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